リウマチ
「関節の痛み」を歳のせいにしないで!リウマチ専門医と一緒に、痛みの原因見つけませんか?

「朝、手がこわばって動かしにくい」
「指や手首が腫れて痛む」
「最近、関節の痛みが続いている」
そんな症状を「年齢のせい」「使いすぎだから」と我慢していませんか?
関節の痛みや腫れの原因はさまざまです。その中には、早い段階で診断し、治療を始めることがとても大切な病気もあります。
代表的なものが「関節リウマチ」です。
一方で、関節リウマチによく似た症状を起こす病気には、変形性関節症、偽痛風、乾癬や潰瘍性大腸炎などに伴う脊椎関節炎、更年期前後にみられる手指症状など、さまざまなものがあります。
だからこそ大切なのは、「リウマチかどうか」だけではなく、「なぜ関節が痛んでいるのか」を正しく見極めること。
当院では、リウマチ専門医による診察と関節エコーなどを組み合わせながら、関節痛の原因を詳しく調べていきます。
1. そもそも「関節リウマチ」ってどんな病気?

関節リウマチは、本来、細菌やウイルスなどから身体を守る「免疫」の働きに異常が生じ、自分自身の関節に炎症を起こしてしまう病気です。
特に、関節を包んでいる「滑膜(かつまく)」という組織に炎症が起こり、関節の腫れや痛み、こわばりなどが現れます。
炎症が長く続くと、関節の軟骨や骨が傷つき、関節の変形につながることがあります。
なぜリウマチになるの?
関節リウマチの原因は一つではなく、遺伝的な体質に加えて、喫煙など複数の環境因子が関係して発症すると考えられています。
女性に多い病気ですが、男性にも起こります。また、中高年だけではなく幅広い年代で発症し、近年では高齢になって初めて発症する方も少なくありません。
大切なのは、「年齢のせいだろう」と決めつけないことです。
2. もしかしてリウマチ?見逃したくない初期サイン
関節リウマチでは、次のような症状がみられることがあります。
- 朝、手や指がこわばる
起床したときに「手が握りにくい」「指が動かしにくい」「手袋をしているような違和感がある」と感じることがあります。 - 指や手首などの関節が腫れる
特に指の付け根や第2関節、手首、足趾などが腫れることがあります。 - 複数の関節が痛む
一つだけではなく、いくつかの関節に症状が出ることがあります。左右両方の関節に症状が現れることもあります。 - 関節が柔らかく腫れている
骨が硬く盛り上がっているというより、「少しぷっくりしている」「押すと腫れている感じがする」という場合には、関節内の炎症が隠れていることがあります。 - だるさや微熱などを伴う
関節症状だけでなく、全身の倦怠感などが出る方もいます。
ただし、こうした症状があるからといって、必ず関節リウマチとは限りません。
ここが、リウマチ診療でとても重要なポイントです。
3. 関節痛=リウマチとは限りません
専門医による「鑑別」が大切です

関節の痛みや腫れを起こす病気には、関節リウマチ以外にも多くのものがあります。 症状だけでは区別が難しい病気もあり、血液検査だけで診断できるわけでもありません。
偽痛風(CPP結晶沈着症)
突然、関節が赤く腫れて強く痛む病気です。
膝や手首、肩などに起こることが多く、発熱を伴うこともあります。特に高齢の方では、関節リウマチや感染症と区別が難しい場合があります。
関節エコーによって、関節内の炎症や結晶沈着を疑う所見が見つかることがあります。
乾癬に伴う関節炎・脊椎関節炎
皮膚の「乾癬」がある方では、関節や腱の付着部、背骨などに炎症を起こすことがあります。
指全体がソーセージのように腫れる「指趾炎」や、かかとの痛み、腰痛などが特徴となる場合があります。
皮膚症状が目立たないケースもあり、関節リウマチと区別が難しいことがあります。
潰瘍性大腸炎・クローン病に伴う関節炎
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、腸だけでなく、関節や背骨に炎症が起こることがあります。 「お腹の病気なのに、なぜ関節が痛いの?」と思われるかもしれませんが、腸と関節の炎症には免疫学的なつながりがあります。 慢性的な腰痛やお尻の痛み、膝・足首などの関節痛がある場合には、こうした病気も考える必要があります。
更年期の手指症状 ― いわゆる「メノポハンド」
最近よく知られるようになった言葉に「メノポハンド」があります。
更年期前後の女性では、女性ホルモンの変化などを背景に、
・指がこわばる
・手が痛む
・指が腫れぼったい
・指の関節が痛む
・腱鞘炎やばね指を繰り返す
といった症状がみられることがあります。
関節リウマチの初期症状と非常によく似ているため、自己判断だけで区別するのは難しいことがあります。
「更年期だから仕方がない」と決めつけず、炎症性の関節疾患が隠れていないか一度確認することが大切です。
このほかにも、
変形性関節症、痛風、感染性関節炎、膠原病、腱鞘炎、五十肩など、関節痛の原因はさまざまです。
だからこそ、関節痛では「どの病気なのか」を見極める専門的な診察が重要になります。
4. 「少しの痛み」と侮れない、将来への影響
特に関節リウマチでは、症状が軽い時期から関節の中で炎症が進んでいることがあります。
炎症が長く続くと、関節の軟骨や骨が少しずつ傷つき、時間とともに関節が変形してしまうことがあります。
一度生じた骨や関節の変化を完全に元に戻すことは簡単ではありません。
また、関節リウマチは関節だけの病気ではなく、患者さんによっては肺など関節以外の臓器に症状を伴うこともあります。
そのため現在のリウマチ診療では、
「痛くなってから我慢する」のではなく、「できるだけ早く炎症を見つけて抑える」
ことが非常に重要と考えられています。
数年後も、
「歩く」
「持つ」
「つかむ」
「仕事をする」
「趣味を楽しむ」
といった日常生活を守るためにも、早期診断・早期治療が大切です。
5. 血液検査だけでは分からないことも
関節エコーを使って「炎症を直接見る」

関節リウマチの診断では、問診・診察・血液検査・画像検査などを組み合わせて総合的に判断します。
血液検査では、
- CRP・赤沈などの炎症反応
- リウマトイド因子(RF)
- 抗CCP抗体
などを調べます。
しかし、血液検査が正常だからといって、必ずしも関節リウマチを否定できるわけではありません。
そこで重要になるのが「関節エコー(超音波検査)」です。
関節エコーでは、レントゲンでは分かりにくい、
- 滑膜の腫れ
- 関節内の液体
- 血流の増加
- 腱や腱鞘の炎症
- 骨表面の変化
などをリアルタイムに確認できます。
「痛いけれど見た目ではあまり腫れていない」という関節でも、エコーを当てることで炎症が見つかることがあります。
また、偽痛風などの結晶性関節炎や、腱・腱付着部の病気を考える際にも、エコーが診断の助けになります。
6. リウマチを悪化させないために気をつけたいこと

薬による治療だけでなく、日常生活で気をつけていただきたいこともあります。
- 禁煙
喫煙は関節リウマチの発症や病態との関連が知られており、リウマチ患者さんには禁煙をおすすめしています。
- 口腔ケア
歯周病と関節リウマチとの関連について研究が進んでいます。日頃から歯科検診を受け、口腔内を良好な状態に保つことも大切です。
- 適度な運動
炎症が落ち着いている時期には、筋力や関節の動きを維持するための適度な運動も重要です。
- 無理をしすぎない
痛みや腫れが強い時に無理をする必要はありません。病気の状態に合わせて、休む時期と動く時期を調整していきます。
7. 前向きな治療で「寛解」を目指す
関節リウマチは、かつては「少しずつ関節が変形していく病気」というイメージの強い病気でした。
しかし現在は治療が大きく進歩しています。
治療の目標は、単に痛みを和らげることだけではありません。
関節の炎症をできるだけなくし、将来の関節破壊を防ぎ、普段通りの生活を続けられる状態を目指します。これを「寛解(かんかい)」と呼びます。
抗リウマチ薬
メトトレキサートなどを中心に、病気そのものの活動性を抑える治療を行います。
生物学的製剤
炎症に関係する特定の分子を標的として抑える治療です。注射製剤や点滴製剤があります。
JAK阻害薬
細胞内の炎症シグナルを抑える内服薬です。生物学的製剤とともに、現在のリウマチ治療における重要な選択肢となっています。
どの治療を選ぶかは、病気の状態、年齢、合併症、感染症のリスク、生活スタイルなどを考慮しながら決めていきます。
「強い薬を使えばいい」というわけではなく、一人ひとりに合った治療を選ぶことが重要です。
8. 関節エコーを使った「エコーガイド下注射」にも対応

肩、肘、手首、指、膝などの痛みに対して、局所への注射が有効な場合があります。
しかし関節や腱は非常に小さく、周囲には神経や血管もあります。
当院では必要に応じて、関節エコーで針先を確認しながら目的の場所へ薬剤を届ける「エコーガイド下注射」を行います。
エコーで関節・腱・滑液包などを確認しながら注射することで、痛みの原因となっている部位を見極めたうえで治療を行うことができます。
関節リウマチだけではなく、腱鞘炎、ばね指、五十肩、滑液包炎などでも、病状に応じて検討します。
9. 専門医だからこそ、「リウマチではない関節痛」も大切にします
関節痛で専門外来を受診した結果、
「リウマチではありませんでした」
ということも、もちろんあります。
それは決して「受診する必要がなかった」ということではありません。
むしろ、関節リウマチなど早期治療が必要な病気ではないことを確認し、では何が原因なのかを考えることも専門外来の大切な役割です。
当院木曜日のリウマチ外来は、日本リウマチ学会専門医・指導医が担当します。
関節エコーを用いた診断やエコーガイド下注射を積極的に行い、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬だけでなく、生物学的製剤・JAK阻害薬を含めた専門的なリウマチ治療にも豊富な診療経験があります。
「リウマチなのか分からない」
そんな段階からご相談いただいて構いません。
10. ご家族の方へ:見た目だけでは分からない痛みがあります
リウマチをはじめとする関節の病気では、痛みやこわばりがあっても、外見上は分かりにくいことがあります。
また、日によって症状に波があることもあります。
「昨日はできていたのに、今日はできない」ということも珍しくありません。
重いものを持つ、ビンの蓋を開ける、固いドアを開けるなど、日常のちょっとした動作がつらくなることがあります。
病気を正しく理解し、必要なときに少し手を貸していただくことが、患者さんの大きな支えになります。
最後に
「このくらいの痛みで受診していいのかな?」と思った時こそ、ご相談ください
関節の痛みには、さまざまな原因があります。
大切なのは、
「痛いからリウマチ」でも、「血液検査が正常だからリウマチではない」でもありません。
症状の経過、関節の腫れ方、血液検査、レントゲン、そして関節エコーなどを組み合わせながら、総合的に判断することが重要です。
「朝、手がこわばる」
「指や手首が腫れている」
「関節の痛みがなかなか治らない」
「更年期だから仕方がないと思っている」
「乾癬や潰瘍性大腸炎があり、最近関節も痛い」
「急に膝や手首が腫れて痛くなった」
こうした症状がある方は、一度専門医へご相談ください。
早めに診断できれば、早めに治療を始められます。
そして、関節リウマチではなかったとしても、痛みの原因を一緒に探していくことができます。
痛みのために、仕事や趣味、旅行、家事など「やりたいこと」を諦めないために。
当院では、専門的な診察と関節エコーを活用しながら、一人ひとりに合った診療を行います。
今回のまとめ
- 関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。
- 朝のこわばり、関節の腫れ、複数の関節痛などは早期診断の手がかりになります。
- 関節痛の原因はリウマチだけではありません。
- 偽痛風、乾癬や炎症性腸疾患に伴う脊椎関節炎、更年期にみられる手指症状などとの鑑別も重要です。
- 血液検査だけでは判断できないケースがあり、関節エコーが役立ちます。
- 関節リウマチは、早期に適切な治療を始めることで「寛解」を目指せる時代になっています。
- 生物学的製剤やJAK阻害薬など、治療の選択肢も大きく広がっています。
- 当院では、日本リウマチ学会専門医・指導医が、関節エコーやエコーガイド下注射を含めて診療します。
木曜日はリウマチ専門外来
「リウマチかもしれない」ではなく、
「関節が痛い。原因を知りたい。」その段階で十分です。
気になる関節症状がありましたら、お気軽にご相談ください。